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DEBUT AGAIN/大滝詠一 [勝手にディスクレビュー]

久しぶりのディスクレビュー。
今回は新譜で。

大滝詠一「DEBUT AGAIN」
2016年3月21日発売
SRCL 8714-5
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このアルバムを聞くのに、聞く人それぞれいろんな思いがあるんだろうなぁ。

これを書くのは、あえて「1度だけ」聞いた状態で。しかもステレオで。
2,3度と聞いていくうちに、きっと聞き方も変わってくるからね。

まずこのアルバム。
これはあくまでも「蔵出し音源集」であって、大滝さんが作ったアルバムではない。
というこの当たり前のことを、感じずにはいられないのね。
それぞれの曲の録音時期、録音スタイル、目的なんかが違うので、
「蔵出し音源集」として聞くなら楽しいのだけど、「アルバム」としては質感がちぐはぐになっちゃう。
それと、大滝さんは「自分に楽曲を頼まれる、ということは、こういうことを求めてるんだな。」
ということをわかった上で提供してたんだな、というのも強く感じるところで。
どの曲もよく知ってる曲だけど、「アルバム」としてはメロディのトーンが偏りすぎてるんだよね。
そう言う部分で、あくまでこれは「蔵出し音源集」なんだな、と。

それはそれとして。

男性への提供曲は、見事なまでに「自分の曲ですが」って顔してるよね。
特に1曲目に『熱き心に』を持って来たのは大正解だと思う。
小林旭を想定して書いて、半ばそこに似せるようにも歌ってるけど、
『バチェラー・ガール』あたりとカップリングでシングルになっててもおかしくない感じ。
アルバムの入口で「そうか、このアルバムはそういうことなんだね」と思わされるし。

RATS & STARに書いた2曲がアルバムでは一番興味を惹かれたかな。
『星空のサーカス』って曲が、このアルバムで唯一知らない曲だったんだけど、
これはもう「GO! GO! NIAGARA」あたりから大得意にしてる「1人ドゥワップ」じゃないですか。
RATS & STARのコーラスワークを考えてのプロデュースワークだったんだろうけど、
これほんと、リリース目的なしに自分で録音してたのって、趣味なんだろうなぁ。
多分、世間的な知名度からしたら『星空のサーカス』って1曲だけ別枠なんだろうけど、
これはきっと、このくらいの振り幅が無いとそれこそ「アルバムとしての偏り」が強すぎちゃったから、ということでのこの選曲だったんだろうなぁ。
『Tシャツに口紅』は、こうして聞くと、大滝さんの系譜に沿ってはいるんだけど、
本人の曲では、この手の曲は作ってなかったのか、って。あったのかな?
近いところはかすっていながら、やっぱりこれに匹敵する曲って、出てこない。
そう言う面白さがあるね。

『風立ちぬ』はネットにも流れてるライブ音源だったので、それが「きれいな音で聞ける」という、
そこがポイントかな。
薬師丸さんに書いた『探偵物語』『すこしだけ やさしく』の2曲もライブの音源があがってたりして、
そのための録音だということなので、ある程度予測通り。
『探偵物語』は、以前勝手な想像で「大滝さんデモテープ」と題してカラオケでマネしたりしたんだけど、その本物が聞けた、って感じね。おおよそ外れてもいない。

一番意外だったのは『うれしい予感』だよね。
満里奈ちゃん版のカラオケを使ってるのでキーがものすごく低くなってる。
自分のためにやるとか、のちのちリリースを考えるならこのキーのままにはしないはずだもんね。
だから、これはほんとにプライベートな目的というだけだったんだろうな。
ま、これキーを適正に持って行ったらそのまま『君は天然色』になりそうだけど。

あとは、Disc-2の方の『針切じいさんのロケン・ロール』は楽しかっただろうなぁ。
提供曲でこれだけ弾けられるのは少なかっただろうからね。
あ、これは提供曲、ではないのか。プロデュースワークというところ。
ロンバケ以降、この手は自分の曲で出してこなかったから、久しぶりに遊んだぞ、て感じで。

音楽家としての楽しみは、Disc-2の最初の3曲に集約されてる気がする。
これは仕事云々から離れたところで、とにかく自分が楽しみたい、とばかりにセッションしてたんだろう、って言うのが見えるね。

――
こういうものに「続編」を期待しちゃいけないだろうし、今後発掘されるかもわからないけど、
『風立ちぬ』のスタジオデモとかもあるだろうし、何より聞いてみたいのは、
『いちご畑でつかまえて』の、「男声キーで作っちゃったメロディ」という元々最初に作った物を聞いてみたいよね。

ということで、あくまで「1回だけ聞いたところで」の感想。
ヘッドホンして聞いたり、別の環境で聞いたり、
3回聞く頃にはいろいろと聞こえてくるものも違うだろうし、
なにしろ、何度も何度も聞くだろうし。
そのうちに、「アルバム」として聞き馴染んでくるんだろうな。

-----

と、あえて1度だけ聞いた時点で書きました。
現時点では既に5回は聞いてます。
で大滝さん歌唱で『快盗ルビィ』の「キッスオブファイアーー」とか口ずさんじゃって。
どんどん体にしみ込んでくる。
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