So-net無料ブログ作成
検索選択
勝手にディスクレビュー ブログトップ
前の10件 | 次の10件

POP! [勝手にディスクレビュー]

昨日買ってきたCD。新しく参加することになるバンドのリハを終えて、頭の中いっぱいで落ちついて聞けそうになかったもんで、今日になってから落ち着いて聞いた。

宇多田ヒカルの「HEART STATION」とキリンジの「7」。
宇多田ヒカルのアルバムは、前作の「ULTRA BLUE」の何倍かってくらいに聴きやすいアルバムだったね。非常にポップ。もはや2枚目の「DISTANCE」に匹敵するくらいのポップさだよ。1枚目の「First Love」はかなりR&B意識な作りだったでしょ。3枚目の「DEEP RIVER」はどことなく重苦しい雰囲気に包まれたもので。前作「ULTRA BLUE」は初めてのセルフプロデュースで、ギリギリの線で崩壊してる部分があったりしてわかりにくかったりしてね。今回は、自分が手がけながらポップなところにまとめられる器量が出来た、っていうと変だけど、そんなイメージだよね。個々の曲を見ると結構むちゃくちゃなことやってたりするんだけど、かなり聞きやすい。これはたくさん聞くアルバムになると思う。

で、キリンジ。
こちらはなんか寄せ集め的な感じが強いな。というのも、昨年の月1新曲配信で大半の曲は聴いてるからさ。「KIRINJI×DELFONICS」のシングル全部買ったし。なので、それらが並んでる、という感じ。流れ云々というよりそれらが一気に聞ける、というそんな感じだったな。もちろん、曲はそれぞれいいよ。流れに慣れてないだけ、というところ。
それにしても、キリンジの曲も質が下がらないよね。いちばん最近のシングル『朝焼けは雨のきざし』が非常に名曲。

そうそう、このキリンジのシングル『朝焼けは雨のきざし』といえば、カップリングに「10曲のライブ音源収録!」っていうとんでもないもので。トータル11曲まるまる収録で「シングル」しかも1050円。ライブ音源10曲って、れっきとしたライブアルバムになりうるでしょ。下手したら「ライブアルバム」って名目で10曲未満のアルバムあるよ。それをねえ。まちがってもエイベックスはしないよ、こんな暴挙。ライブアルバムに「初回特典 新曲1曲収録スペシャルディスク付き」かなんかという名前で3500円は取るね。

ちなみにもう1枚、坂本龍一のシングルも買ったわけで。こちらはピアノ曲3曲収録。思いのほかわかりやすい楽曲だったね。まあCM用の曲ってことだから、なんだろうけど。やっぱり好きですね、この人の音は。そんなことを思いながら、今日は自分で作った曲をたくさんピアノで弾いてましたよ。

財政厳しいけど、この辺は買わなくちゃ行けないCDだな、自分には。
相変わらず、聞かないCDはたくさん売りに出してます。

Cafe Bohemia/佐野元春 [勝手にディスクレビュー]

ぼくがいちばんよく聞いた佐野元春のアルバム、それがこれ。


佐野元春「Cafe Bohemia」
1986年12月1日発売

佐野元春を意識して聞き始めたのは小学校6年生の時。『Christmas Time in Blue』をラジオで聞いた時からだな。そこから興味を持ち始めてね。それ以前から名前は知ってたし、いとこのお兄さんとかお姉さんが聞いてるのも知ってたし、『Young Bloods』とかよく流れてたしね。でも、『Christmas Time in Blue』はなんだか、はまったのね。ラジオから録ったものをテープでよく聞いてた。
その後『STRANGE DAYS』『SEASON IN THE SUN』『WILD HEARTS』とシングルが立て続けに出て、ガツンと発売されたのがアルバム「Cafe Bohemia」。出たのが12月だったのね。そのすぐ後の正月に、父方の親戚が集まった時に、いとこのお姉さんのアナログLPからダビングしてもらったのをよく覚えてる。で、ほんとよく聞いてたね。
このアルバムからはその後さらに『99BLUES』『Indivisualists』の2曲が12インチシングルで発売されたんだよね。これはたしかレコード借りて来て聞いたなぁ。
収録曲ではやっぱり『Christmas Time in Blue』がいちばん好きかな?この曲は毎年クリスマスには欠かせない曲でね。必ず聞きますよ。あとは『WILD HEARTS』とか『月と専制君主』とかが好きかな。もちろん、アルバム全体的に好きだけど。
そう、このアルバムは、インスト/Interludeをのぞく9曲のうち、8曲がシングルなりそのカップリングに収録されてるっていうすごいアルバムなのね。最近の「シングル寄せ集め」的なアルバムの作り方がされない頃の話だから結構すごいことで。(まあ、前作「VISITORS」においては全8曲がシングル4枚に全部収録されたというとんでもない実績があるわけだけど)。
ちなみに、佐野元春は当時流行する前から12インチシングルをいち早く取り入れた人で、このアルバムからも4枚、前作からは2枚作ってるんだよね。はやり始めた後にはわりと粗悪な「イントロがただ長いだけ」とか「間奏がむやみに長い」なんていうものがたくさん出た中で、この人の12インチは実によく出来てたと思う。高校時代になってから中古屋さんで12インチを探して買い集めて、それだけを編集したものもよく聞いてたな。6枚全部持ってるのがちょっと自慢だった。なかなかCD化されなかったからね。

で、ここ数年で、アルバム「SOMEDAY」「VISITORS」が追加音源付きで20周年記念リマスター盤が出たもんだから、「これは絶対『Cafe Bohemia』も出るに違いない!」と、待ってたんだよね。ようやくその日が来ましたよ。
待望の12インチバージョン初CD化。さらにはシングルカップリングでアルバム未収録だったものとか、当時のコンピ盤のみ収録の曲とかそういったものをむちゃくちゃ詰め込んだ形で発売されることになったようで。ただ、7月にシングル集を出した手前なんだろうけど、それぞれの7インチのシングルバージョンの収録は見送られたみたいで。ていうか、それを全部収録するだけの時間の余裕がなかったんだろうなあ。2枚組がすでにぎちぎちになってるもんな。(しかし、「Electric Garden」は入れずに「Electric Garden #2」から収録てのも不思議だけど)。

ようやく12インチバージョンを手軽にいい音で聞ける日が来ます。12/6に発売になる「The Essential Cafe Bohemia」。買いでしょう。


特定の普遍性(KAN「遥かなるまわり道の向こうで」) [勝手にディスクレビュー]

B000GLKMXI.09.LZZZZZZZ.jpg
KANのニューアルバム「遥かなるまわり道の向こうで」を買ってきた。
で、この時間になってようやく聴いた。
使う言葉、使うコード、言葉の乗せ方、コードの動き方。もう端々にKANの特徴だらけでうれしくなっちゃう。そうそう、この空気感がKANのアルバムだよ。
内容はいつも通りで、「ぼくはあなたを愛しているのです」という真っ直ぐなラブソングと、どーにもならんようなしょーもない曲が混ざってる感じね。ビートルズの曲が混ざったような妙にミュージカルじみた曲があったり、誇張しすぎてる80年ファンクみたいなのがあったり。(前にやった『DISCO '80s』ともちょっと違う感じね)
イントロ聞いて思わず「お前はハマショーか!!」って突っ込んじゃった歌の中でほんとに「浜省の名曲がエンドレス」とか歌ってて。ちなみにその曲、間奏でサックスソロが割り込んでくるんだけど、その音を聞いて「もしや!」と思ってクレジット見たら山本拓夫だった。さらにその隣りを見たらこの曲のギター、町支寛二が弾いてるという気の遣いよう。Special Thanksに「浜田省吾さま」って書いてあったよ。まあ、この人その昔、完璧なまでの「槇原敬之コピー」をやってるからね。(気になる人は「KREMLIN MAN」というアルバムの『車は走る』を聞きなさい!)
ほかにもやはり以前の自身の楽曲『WHITE LINE』という、停止線オーバーでキップ切られて免停になるというハードロック調の曲(あ、これも「KREMLIN MAN」だ)の続編ともいうべき『RED FLAG』という、スピード出し過ぎでキップ切られるハードロック調の曲が入ってたりね。
そんな遊びを間に挟みつつ、まじめなラブソングも並ぶ、という。ちなみにシングルのカップリングになってた弾き語りの『アイ・ラブ・ユー』はバンドアレンジでちょっとだけJazzyな感じになってラストに収録。

これと言って目新しい何がある、というわけではないんだけど、とても安心する。ただ、今回は「どうにもこうにも名曲過ぎてたまらん!」て感じの曲が、今のところまだない感じ。とはいえ、この人の曲はあとからふとボディブロー喰らうようにガツンとやられたりするからね。そういう曲が潜んでいるかもしれない。

こうして聞いてみると、ぼくの作る曲は確実にこの人から影響を受けてる(特に言葉に関しては大きいかもね)と言えるけど、逆に「それだけではない」とも言えることがはっきりわかるね。
とりあえず、この人の作る誠実すぎるラブソングを、ぼくは書けません。


nice!(1)  コメント(0) 

「キッチン」オリジナルサウンドトラック [勝手にディスクレビュー]

さっき、久しぶりにふと聴きたくなってしまったアルバムを、せっかくなのでご紹介。

「キッチン」オリジナルサウンドトラック(音楽:野力奏一)
1989年11月1日発売

今回は珍しく映画のサントラ盤のご紹介。
これは89年公開の吉本ばなな原作:森田芳光監督の映画「キッチン」のサントラ盤。映画としては川原亜矢子のデビュー作としても有名なやつね。映画も結構好きな感じのものなんだけど、とにかくこの音楽が素晴らしくて。音楽を担当してる野力奏一さんてのはジャズのピアニストの方。この時期の森田監督作品では何作か音楽を担当してたみたい。映画音楽はこのあと、やはり森田監督の「(ハル)」を最後に担当してない様子。
もう、全体的に静かできれいなメロディの音楽でね。1つの楽曲に2パターンのアレンジがされてて、「白い夜(雄一)」「白い夜(みかげ)」と言った具合にタイトルが付けられてるのが半分。基本的にはピアノがメロディの主体になるものが多いけど、サックスだったりフルートだったりも出てくる。本当に落ち着きたい時に聴きたくなる音楽。中でも、「キッチン(満月)」はものすごく好きでね。シンセの打ち込みによる最小限のバックトラックに、ピアノの旋律とパッドのユニゾンでほぼ全編。コードもきれいでね。ピアノで弾いてみてもものすごく気持ちがいい。

ちなみに、さすがにサントラだけあって、芝居との相性は非常によいです。学生時代に音響を担当した芝居で「夢(おばあちゃん)」というものすごくものすごく優しい曲を、母娘の言い争いの場面で使ってどうにもならないような切なさを演出して大成功。
さらに、自分が初めて書いた芝居でも「北公園」という楽曲を使用。まさに夜中の公園というシーンで使ったのかな?

このサントラの中には実際の映画には使われなかった楽曲が1曲と、やはり本編では使用してないイメージソング、鈴木祥子の「ステイションワゴン」も収録。「ステイションワゴン」はいい歌だよね。ま、これはおまけ的に。

野力さんの映画音楽でサントラが発売されてるのはこれと「(ハル)」だけなんだよね。「(ハル)」は野力さんと佐橋俊彦さんという方で半分ずつなんだけど、これはこれで名盤です。やっぱり、よく聴くサントラの1つ。というか、映画が傑作なんで。

そうだ、このサントラ風の曲を作ってみよう。
・・・て、「(ハル)」見た時にそのイメージでピアノ曲1つ作ったことを思い出したよ。
改めて発案するまでもなく、やってるんだな、おれ。

そんなわけで、どこかで見かけたらぜひ聴いてみて下さいませ。


evergreen/MY LITTLE LOVER [勝手にディスクレビュー]

ほんとに久しぶりに、勝手にディスクレビュー。行ってみましょうか。

050804_mylittlelover_evergreen.jpg
MY LITTLE LOVER「evergreen」
1995年12月5日発売
TFCC88070

デビューシングルから立て続けに3枚ヒットを飛ばした後に満を持して発売された、という感じのMY LITTLE LOVERの1st。この発売と同時に、プロデューサーだった小林武史がメンバーになったんだよね。それまでもプロデューサーとしてたくさん音楽を作って来ただけあって、アルバム全体の作り方がものすごくうまいんだよね。1stにして最強のアルバム。(他のアルバムももちろん好きだけど)これは本当にいいアルバムだと思う。
まず「序章」的な『Magic Time』からスタート。この曲、おと数少なめな上に、あえて盛り上がりを外すように作ってあるんだよね。「サビ」ってものを作らずに、それがあるべき場所に印象的なイントロを繰り返し持ってくる、っていう構成。でもって、大サビを1つ作った後は半音転調してイントロを繰り返しながらカウントダウンして行く、っていうね。で、2曲目の『Free』のイントロから「さあ、幕開けです!」て感じに始まって行くという憎い演出。そこからは2ndシングル『白いカイト』ではじけて、『めぐり逢う世界』で前進していくイメージをもたせて、切なさいっぱいのシングル『Hello, Again』でA面終了といった感覚。B面に入るとまず「ザッツ小林武史」という具合の、ちょっと古いポップス風なところにきらびやかなストリングスを乗せてさらにワウギターをワカチコ言わせる極上ポップの『My Painting』、続いて静かにたんたんと時間が流れるだけ、というイメージの『暮れゆく街で』。そこから心持ちグルーヴィーなポップの『Delicacy』。そのエンディングから1st Singleの『Man & Woman』になだれ込み。最後は街から抜け出して大きく空に向かってひろがって行くような『evergreen』で大団円。
正直なこと言うと、AKKOのボーカルって決して「うまい」というわけではないと思うのね。だけど、ものすごく「声」がいいんだよね。押し付けがましくない、というか。それでいて埋もれない。小林武史の音楽に合う声なのか、もしくはこの声に合う音楽を作ってるのか、という見方もあるけど、とにかくこの音楽にはこの声が非常にあってるんだよね。それと、緻密なバックとその声というだけでは出来すぎちゃいそうなところにうまくよりながらも、嫌みなく主張する藤井謙二のギター。そのうまいバランスが「MY LITTLE LOVER」の気持ちいいところなんだろうな。

収録曲にほんとに捨て曲がないこのアルバムの中で、ぼくが一番好きなのは『暮れゆく街で』かな?無駄な音は鳴らさない、という中でずっとなり続くバスドラ、歌に静かに絡んでくるオーボエ、切ないながらどこか達観してるようなメロディ。好きですねえ。あとは『Delicacy』の跳ね具合とかも好きだな。言葉も全体的にいい感じでね。高飛車な女でなく、暑苦しい女じゃなく、でも内にこもるようなのでもなく、って感じの自然な感じのイメージで。

ま、とにかく聞いてていい気分になれるアルバムですね。それでいて全部聞くとどこか懐かしさがあったりするような感覚。

ちなみにこのアルバムの他でもMY LITTLE LOVERはかなり好きな曲がたくさんあるんだけど、中でもテクノなトラックにロックなギターが絡みまくる『private eyes』がむちゃくちゃ好き。この曲はPVも相当いいですね。さらに、この曲も入ってるアルバム「NEW ADVENTURE」からシングルカットならぬ「The Waters」という「アルバムカット?」をしちゃった『STARDUST』とかね。あとは今のところ一番新しいアルバム「FANTASY」に入ってる『サテライト』とかも好きですね。

まあ、小林武史の音、ってのが好きなわけですけど。


80年代アイドル歌謡曲名曲選 その1 [勝手にディスクレビュー]

先日ひらっと予告してみた「アイドル歌謡曲」の名曲をいくつかご紹介。
その前に、「松田聖子」「中森明菜」「斉藤由貴」に関しては既にこのくくりの外にあるものと見てるので含みません。「小泉今日子」もそうかな。途中からは。

○河合その子「青いスタスィオン」
 作詞:秋元康/作曲・編曲:後藤次利
サビのメロディの勝ち。それとイントロからのアコーディオンが利いてますね。最後のサビの繰り返しで終わると見せかけてBメロがいきなり切り込んできてそのままエンディングになるところがとても好きです。Bメロも好きだなこれ。後藤次利って、サビの後にそこからこぼれるような1フレーズおくのが特徴だよね。たまにまねしようと思う。

○河合その子「JESSY」
 作詞:川村真澄/作曲・編曲:後藤次利
最近聞き直して改めて「これ、好きかも」って思っちゃった1曲。この曲のすごいところはバックがずっと8分の3連で刻んでる「ボレロ的」リズムの上に、跳ねない8分のメロディが乗ってるところ。それが、サビでメロディの方が4分の3連で駆け上がっていったりしちゃうんだよね。でもって、サビの最後の半小節だけバックが3連じゃなくなるのね。すごいよこのアレンジ。
でもって、河合その子って実はかなり歌がうまい人なんだと思う。

○薬師丸ひろ子「Woman"Wの悲劇"より」
 作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
これは当時から「きれいな曲だなあ」とすごく好きだった曲。今聞いても本当にいい曲だと思う。なんと言ってもサビ前に入る時の不思議な高揚感というか。その転調具合がきれいすぎ。ものすごい抽象的な言い方をするけど、鏡の角度を徐々に動かして行って、突然その反射でひかりが一気に飛び込んでくる、って感じ。2003年にユーミン本人がセルフカバーしたやつを聞いて、初めて「こんなにもユーミンなメロディだったか!」と再発見。ていうか、この製作陣で名曲になり得ないはずがないよな。全盛期の聖子ちゃん編成だもん。

○薬師丸ひろ子「胸の振子」
 作詞:伊達歩/作曲:玉置浩二/編曲:萩田光雄
なんなんでしょうかねえ、この曲の神々しさっていうのは。伊集院静の言葉もその一因ではあるんだろうけど。上り下がりの激しいAメロに対して、高いところで抑揚の少ないサビのメロディの対比も秘密があるのかな。サビの「千の剣だって私は受けるから」の「るから」の絶妙さとか。それ以前に3拍子であるというのも十分要素になってるな。イントロのオーケストラ(あえて「ストリングス」ではなく)もそうか。すべてが奇跡的に絡み合ってるというか。ま、とにかくこの曲を作った玉置浩二と恋に落ちるのもわかるってものよ。

○工藤静香「恋一夜」
 作詞:松井五郎/ 作曲・編曲:後藤次利
あ、また後藤次利だ。これは、なんだろうなあ。Bメロの後半の切羽詰まった感からサビに入るところとかいいよね。で、サビはいった瞬間「わからないわからない」って言葉とともにメロディがおちるんだよね。うまいなあ、これ。で、サビ後半のでまた盛り返しちゃうところとか。で、最後の後藤的な「なーぜー」でしょう。曲知ってる人にしか通じないなこれじゃ。

○少年隊「ABC」
 作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀
当時の洋楽でこんな曲確実にあったよなあ、って感じの音なんだけどね。いわゆる「ディスコ」ではやってたでしょう系の。リック・アストリーとかの時代よ。でもって、松本隆の言葉もなんだかここでは馬鹿っぽくてね。「Angel Baby Cupid」はねえよな、とか思いながら、この曲はやっぱりうれしくなっちゃうよね。カラオケで歌っても確実に盛り上がるよこれ。ぼくは「仮面舞踏会」よりこっちを選ぶね。なんにしろ、洋楽の見事な歌謡曲化に関しては筒美京平にはかなわない。

○菊池桃子「Nile in Blue」
 作詞:売野雅勇/作曲:林 哲司/編曲:鷺巣詩郎
菊池桃子のシングルヒストリーの中でも一目でわかる変化を遂げた曲だよねこれ。なんでかなあ、と思ったら編曲がそれまでの林哲司本人から鷺巣さんになったのね。正確に言うと、このシングルの直前に出したアルバムにこういう音のしてる1曲があって。「Yokohama City of Lights」っていう。それをラジオで聞いた時に「こういう曲シングルにすればいいのに」って思った記憶があって。それで出て来たのがこれだから、うれしかったね。ビョンビョン言っちゃうくらいのベースと黒人的コーラスと。この2枚後のシングルが有名な「愛は心の仕事です」になるわけなんだけど。音としてみれば、既にこの時点から「ラ・ムー」仕様なんだよね。だから、わざわざあそこで「ロックをやります」なんて宣言しなくてもよかったのに。しかも、どう聞いてもロックじゃないし。あれも、色目を外して聞けばなかなかいい歌ですよ。でも、ぼくはこの歌の方が好き。「Yokohama City of Lights」の方が好きだけど。

○中山美穂「CATCH ME」
 作詞・作曲・編曲:角松敏生
ま、何がどうと言うより、角松ですから。イントロからエンディングまで気持ちよさがずっと続くわけで。メロディ、コード使い、リズム。ま、角松ですから。ちなみにこの曲が収録されてるアルバム「CATCH THE NITE」は全面角松プロデュースで、名盤です。

そろそろこの辺にしておくかな。
こういうこと書くと「おたくっぽい」って思われるんだろうなあ、きっと。単純に歌謡曲好き、ってことなんだけど。いわゆる「アーティスト系」でも多分同じくらい語れますよ。
ま、この歌謡曲名曲選。そのうちまた書きますね。

ちなみに、詳しくは書かなかったけど、名曲だと思う曲を適当に羅列。
○河合奈保子「Through The Window」○堀ちえみ「夢千秒」○C-C-B「Lucky Chanceをもう一度」○本田美奈子「Temptation-誘惑-」○松本伊代「月下美人」○南野陽子「接近-アプローチ-」○石川秀美「めざめ」○高井麻己子「テンダー・レイン」

きりがなくなるな。

「おれはあの曲が好きだ」「私はあの曲が好きよ」というご意見があればコメントにください。いくらでもどうぞ。(ていうか、あるでしょみんな)


age/斉藤由貴 [勝手にディスクレビュー]

久しぶりの「勝手にディスクレビュー」。
今回は先日から中澤さんとのやりとりで盛り上がってる斉藤由貴のアルバムからひとつ。

51SiSbIo9KL._SL500_AA300_.jpg
斉藤由貴「age」
1989年4月21日発売 PCCA50138

ここ数年はすっかり女優さんの斉藤さん。もちろんデビュー当時はアイドルであり歌手であり。当然女優でもあった訳だけど、デビューシングル『卒業』は今でも季節になると必ず耳にする名曲として歌い継がれてますね。
『悲しみよこんにちわ』『青空のかけら』『夢の中へ』などシングルとしても相当はやった歌もたくさんありながらも、この方、実は完全に「アルバムアーティスト」です。
これはアイドルだった頃から。音楽面は全面的に武部聡志が担当してたこともあって、アイドルにしては相当曲に恵まれてる人でした。珍しいくらいに捨て曲がない。
また、早いうちから自分で言葉も書いてたりして、ほかの活動と音楽が乖離せずに非常にいいスタンスで続けられてました。歌が特別うまいか、というとそういう訳でもないかな、とおもうんだけど、この方の場合は根が「女優」さんなので、歌の中にも女優の部分が出てきたりして。
声の質感がいいんですね。
いろんな作家さんが曲を提供してるんだけど、その中でも当時新人だった崎谷健次郎との相性は、それはそれはもうがっちりな組み合わせで。
2枚目のアルバム『月野原』にはじまり『アクリル色の微笑』『ONE』『体育館は踊る』『ひまわり』など名曲が続々。
当時、崎谷さん作曲のものだけ集めてテープを編集するほど好きでした。
今回とりあげるアルバム「age」(「アージュ」と読みます)は、初めて武部さんから離れたアルバム。
全曲の作編曲とアルバムプロデュースを崎谷健次郎が担当。
また、1曲をのぞいて作詞は、それまでの提供でも相当相性の良かった谷山浩子が担当。
どちらかというと「静かな歌を歌う」という印象の強かった斉藤さんにいきなり「動」がもたらされたアルバムでもあります。
当時の崎谷さんは初期の「ハウス」にかなり凝っていて(まだあまり他の人が使わなかった頃)、アルバム全面にそれが心地よくちりばめられてます。
ドラマの主題歌だった(にもかかわらずシングルカットされなかった)1曲めの『LUCKY DRAGON』が一番知られてるかな。
思い切りダンサブル仕様ではじまって2曲目『N'oublie Pas Mai(5月を忘れないで)』を通り越し、3曲め『ガラスの天球儀』まで。この曲、当時の先輩が「WINKの曲かと思った」というほどのはねっぷり。
4曲め『LUNA』は一転オルゴールの音と雪を踏むようなザッザッとたんたんと続くリズムだけで出来たようなちょっぴりホラー気分。
「あなたが今何か話している/つらそうに視線をそらしながら」と歌う5曲め『永遠のたそがれ』の、静かに終わって行く感じは曲と言葉がものすごく寄り添ってます。
6曲め『DOLL HOUSE』はぼくがアルバムの中で一番好きな曲。軽いボサノバ仕立てで、ピアノのフレーズが気持ちよい。
続く『あなたの存在』は唯一本人作詞の曲。たんたんとした3拍子で、調性が不安定になって行く中で「私の日常を冷たくおびやかす/あなたの存在が許せないのよ」と呪文のように恋人のことを歌うこの曲も、相当好きな曲です。
8曲め『雨色時計店』ではじめて「普通のポップス」登場。ちょっと落ち着きますね。
9曲め『IN MY HOUSE』は非常に妙な曲で、歌自体は斉藤さん歌ってません。思い切りハウスなビートに斉藤さんの声がサンプリングされたり台詞ともつかない台詞が乗ったりという、でも「なんだか流されちゃう」感覚にのせられる一品。
で、最後に『LUCKY DRAGON』のリミックスでアルバム終了。
ちなみにこのアルバムと同時発売の『夢の中へ』は収録されず。まあ、このアルバムの中では居場所がないですわ、やっぱりこの曲は。シングルはヒットしましたね。

実は、ぼくはこのアルバムは「崎谷健次郎のアルバム」という系譜でとってもいいと思うのですね。メインボーカルに斉藤由貴を迎えた崎谷健次郎のアルバム。でも、当然のことながら斉藤由貴のアルバムとしてもすばらしいアルバム。
斉藤さんはこの後、短編集の文庫本のような「MOON」、当時の自身の恋愛を赤裸々に綴ったと思われる「LOVE」という傑作を生み続けて行くわけで。
この3枚と、さらにその後「女優が歌手に戻ってみました」という感じの穏やかなアルバム「moi」もあわせて4枚。本当にすばらしいアルバムを残してしばらく歌手業から遠ざかってる訳ですね。たまにぽろっと超単発仕事してるけど。
この辺のアルバムの話を深くできる人ってあまり多くないですね。この辺こそじっくり語れるアルバムなのに。
ちなみに、斉藤さんと崎谷さん。この「age」の後にも「MOON」「LOVE」でそれぞれ2曲ずつ楽曲提供してるけど編曲まではしてないです。どれもさすがにすばらしい曲。
さらには2001年のリーディングドラマ「フレンズ」で役者と音楽の関係で同じ舞台に立ち、さらには2002年にavexから発売された「Disney's HAPPY SONGS/Disney's LOVELY SONGS」という、80年代のアイドルがディズニーの歌を歌う、という企画アルバムにおいて、斉藤さんの2曲『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』『ララルー』で崎谷さんが編曲を担当する、という形でコラボレーションが続いてるようです。

うん。今聞きながら書いてたけど、やっぱり名盤だ。
http://www.toho-ent.co.jp/talent/saito/saito.html


1234/大江千里 [勝手にディスクレビュー]

ずいぶん久しぶりの「勝手にディスクレビュー」。今日はこんなあたりで。
Mar24572.JPG
大江千里「1234」
1988年7月21日 32・8H-5034

ぼくの作る曲に大きく影響を与えてるミュージシャンはKANだ、と前に書いたことがあるけど、実は大江千里にも相当影響されてると思っている。やっぱり基本がピアノの人に偏るのかな。KANにしても大江千里にしても、おそらくもともとの要素として「鍵盤」ていうのは往々にしてキーワードになるんだと思う。
でもって、KANにしても大江千里にしても、「言葉数が多い」という特徴がある。言葉を詰め込む感じ。その言葉の詰め方のリズム、ってのがぼくには心地いいんだと思う。自分で曲作ってもどちらかと言えば言葉は多くなるしね。それはこの辺からの影響が多大にあるんだろうな。加えて、情景描写を多く使う言葉の書き方も、特に大江千里からは影響されてるな。

さて、この「1234」と言うアルバムは、ぼくが中学3年のときのアルバム、てことになるんだな。
いやあ、本当によく聞いたアルバム。というか今でもかなりの頻度で聞くアルバム。というのも、毎年8月頃に「もう少しすると雨が降ってきそうな、雲が低くなって湿った風が吹いてくる日」ってのがあるでしょう。その状況になると決まってこのアルバムの収録曲『Rain』を聞きたくなるのね。彼の曲の中では、もしかしたら「いちばん好きです」って言えちゃうかもしれないくらい好きな歌。あんまり、そのアーティストの「いちばん好きな歌」って特定できないもんなんだけど。何がそんなに好きなのかはわからないけど、強いて言うなら「曲の持つ空気感」とでもいうのかな。あ、でも、好きなものなんて大概そんなもんか。ちょっと話し外れるけど、槇原敬之が98年に出した「Listen To The Music」っていうカバーアルバムがあるのね。このアルバムの収録曲見て、ぼくは相当ぶっ飛んだのですよ。シングル曲でもない、この『Rain』が選曲されてて。さらには、池田聡の『月の舟』と来た。こんなのを選曲するのが自分の他にもいるのかと思って相当うれしいと言うか、あまりの趣味の近さに一気に親近感。兄弟って勝手に言いたいくらい。(しかも、その他にも矢野顕子とか大貫妙子とかだしね)。
閑話休題。
この「1234」は、わりと一般的に大江千里のイメージを作った『GLORY DAYS』で始まることから、ぼくの中では「ここでメジャーになった」アルバム、という風にとらえてる。でも、一般的には違うのかな?やっぱりこの後の『お願い天国』とか『格好悪いふられ方』なのかな。
さっき「言葉の詰め込み」って話をしたわけだけど、そんな彼の中でも、このアルバムはその頂点なんじゃないか、と思う。『平凡』とか『ROLLING BOYS IN TOWN』『昼グリル』なんてあたりがね。「歌詞」であるんだけど、すでに「文章」の領域に入ってるような、そんな言葉。
『サヴォタージュ』はシングルじゃないわりに知ってる人も多い曲。これって、実はピアノロックな曲だよな。(あ、これ弾き語りできるかも)。情景描写がいちばん強い曲かもしれない。
最初に聞いてた頃は、唯一『帰郷』って苦手な曲でよく飛ばして聞いてたんだけど、聞いてるうちに「いい曲だな」と思えるようになってきた。あまりに社会的すぎて(しかもマイナーコードだし)いたものでね。コドモには難しい。全体的に「文学的」で、ともすると「内省的」な空気の強いこのアルバムの中で、逆方向に弾けてる『ハワイへ行きたい』は、前作「OLYMPIC」あたりの空気感が出てる曲で、これが『おねがい天国』へとつながってくわけだな。みさっちゃんのコーラスもかなり大きく聞こえるラストの『ジェシオ'S BAR』で大団円のうちにショーは終りです、といった具合で終るかと思いきや、このアルバム、ラストのラストに「1、2、3、4!」という、普通なら曲のイントロ前に入れるかけ声で終る。

このアルバムって、それまで大江千里にあった、どこか文学少年的な匂いをさせてる最後のアルバムなんだよね。「乳房」「AVEC」と強烈にそう言う感覚のアルバムを作ってきた、その集大成なんだろうな、と思う。というか、そう言う意味でも、ぼくとしては、このアルバムがひとつの頂点だと思ってる。(厳密に言うと、このすぐ後に出したシングル「これから」が頂点)ああ、実際このアルバムの後に「Sloppy Joe」ってセレクションアルバム出して、確実に一区切りつけてるんだった。ちなみに、「Rain」はこの「Sloppy Joe」にも収録されてるんだけど、ぼくは「1234」収録の、ガンガンにリバーブの聞いたバージョンの方が好き。(ちなみに、以降のベストアルバムにはたいてい「Sloppy Joe」のテイクが採用されてる)
で、この後のアルバム「red monkey yellow fish」は「OLYMPIC」の流れから、それをさらに突き抜けちゃった感じになって行くのね。ま、そっちの路線も「Giant Steps」でまたがらっと変わったりするわけだけど。それはまた別の話。

そんなわけで、今でもぼくの「マイフェイバリットアルバム ベスト5」に入ってるアルバムです。


http://www.senrioe.com/


BREATH/渡辺美里 [勝手にディスクレビュー]

毎度、ライブを見たあとにディスクレビュー。別にそうと決めてるわけではないんだけど。

May02933.JPG
渡辺美里「BREATH」
1987年7月15日発売 ESCB1163(32・8H-130)

みさっちゃんのアルバムの中でいちばん好きなアルバムと言うのが、この3rdAlbum「BREATH」『My Revolution』収録の「Lovin' you」と、『センチメンタル カンガルー』などが収録された「ribbon」の間に出てるアルバムで、わりと通好みなアルバムかもしれない。後にSPEEDのプロデューサーとして名を轟かせることになる伊秩弘将氏はこのアルバムからの先行シングル『IT'S TOUGH』にて作曲家デビューなんですね。
アルバム全体が、かなり尖った感じの曲が多いので、以前のライブなんかでは結構選曲されてたんだけど、最近のライブではあまりここからの曲が選ばれることは少ないです。作曲家陣は、先述の伊秩弘将が3曲、佐橋佳幸が3曲、小室哲哉が2曲、木根尚登が1曲、ご本人が2曲(うち1曲は佐橋くんとの共作)、なお作詞は初めての本人全曲作詞。
パワーみなぎる!といった感じの『IT'S TOUGH』はこの前の西武でもメドレーの中で歌われてたけど、92年の西武で歌われたアレンジも、2000年のツアー「うたの木FRAGILE」でオープニングに持って来たノイズまじりのギターゴリおしのアレンジも、どんな味付けにしてもロック魂炸裂なかっこいい曲。『MILK HALLでおあいしましょう』という、この「MILK HALL」というのは、実は彼女の出身校(松原高校)の向かいにある夏季限定のかき氷屋さんのこと、というのは知られたトリビア。今でもやってます。オーケストラのバックに歌を乗せたタイトル曲『BREATH』は、非常にドラマチックできれい。7分以上あるのにそう感じさせない、もしくは逆にものすごい大曲を聞き終わった感じにさせてくれる、そんな曲。発売された当時はよくピアノのある部屋で、この曲を大音量でかけながらそれにあわせてピアノを弾いて楽しんだものです(これがほんとに気持ち良い)。『BORN TO SKIP』は、詞に漂う傍観者っぷりがかなり好きな曲。それにしても、木根さんの曲にはほんとにはずれがないね。『HERE COMES THE SUN』はウツの声もがんがん入って、初期TMの匂いたっぷり。
ちなみに、ぼくがいちばん好きな曲『RICHじゃなくても』はスウィングジャズの一品。ホーンセクションがなんとも気持ちいいのだが、こういったジャジーな曲と言うのはこれ以前もこれ以降も全然作ってないのね。ものすごくあうと思うんだけど。特に今の年齢になってますますぴったり来ると思うんだけど、また作ってくれないかなあ、こう言う曲を。

最後にひとつ。
ぼくは今までコンサートで自分でも思わぬところでいきなり涙が込み上げて来た、と言う経験が2回あるんだけど、そのひとつがここに収録されてる『PAJAMA TIME』と言う曲。
1999年に、初めてオーケストラを従えた「うたの木ー春(冬)の華ー」というコンサートがあったんだけど、この時に『PAJAMA TIME』が選曲されててね。で、一緒に口ずさんでたんだけど、曲の大サビの
 「この河の流れが速すぎて 泳げない時は
  この河の幅が広すぎて 渡れない時は
  この河を飛べる大きな翼 今はないから
  こぎ出せるボートをください」
というフレーズのあとで、突然グアーッと込み上げて来て、いきなり号泣。
こんなの初めてだったもんで自分でもびっくりした。もともと好きな曲だったけど、その事件以降、なんだか聞き流せない曲になりました。

それにしても、この人の作家陣は本当にすごいよね。小室哲哉といい、伊秩弘将といい。このアルバムにはいないけど大江千里といい、岡村靖幸しかり。一時期は小林武史も絡んでるしね。
さらにすごいところは、この人たちをここでビッグネームに押し上げてるってことだよね。一時期、駆け出しの作曲家はみんな渡辺美里に書きたがっていた、って話もあるくらいだからねえ。

そんなぼくの夢のひとつに、自分の曲をみさっちゃんに歌ってもらう、というのがあります。
いつか、実現させましょう。

http://www.misatowatanabe.com/
(オフィシャルのディスコグラフィのBREATHの写真、左右逆になってる!)


heartbeat/坂本龍一 [勝手にディスクレビュー]

久しぶりに登場の「勝手にディスクレビュー」。先週ライブを見て来た坂本龍一から1枚まいりましょうかね。

51kgNqwQFpL._SS400_.jpg
坂本龍一「heartbeat」
1991年10月21日発売 VJCP30093

なにげに「マニア」な領域まで踏み込んで聞いてるような節もある坂本龍一の中で、アルバムとしていちばん好きなのがこの「heartbeat」です。 坂本龍一と言えば、まあYMOでの活躍から「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」と映画音楽まで大成して一躍「世界のサカモト」となっていったわけですね。 で、初期のソロや、YMO散開後のアルバムなんかではかなり打ち込み多様のテクノ色も出てたのですが、おそらく「ラストエンペラー」以降、あまりそういうものを作らなくなってったんですね。 沖縄音楽に傾倒してったりとか。 そんな中で、この「heartbeat」では当時流行り出してた「ハウス」の手法を思いきり使って作られたアルバムで、サカモト的打ち込みの気持ち良さがかなり全面的に出たアルバムなのです。 サトシトミイエとかテイトウワがサカモトと絡み出したのがここからですね。 ぼくはこの人のこういう打ち込み感が非常に好きで。 もちろん「ラストエンペラー」とか『El Mar Meditirrani』といったオーケストレーションのすごいものとか、ハーモニーが好きなものは他にもたくさんあるわけですが、もっとこういう打ち込み多様のものも作ってほしいな、と思うわけです。 自身の作品以外では、薬師丸ひろ子に書いた『二人の宇宙』とか中森明菜の『NOT CRAZY TO ME』、中谷美紀の『天国より野蛮』なんていう気持ち良い打ち込みやってるんですけどね。もっと自分の曲でやってくれ、と。

このアルバムの中でも飛び抜けて気持ちいいのが『triste』かな。 きもちJazzyなトラックに自らのピアノを切り張りしてのせてる、と言う感じのもので、このコード感がたまらなくかっこいいわけですよ。 全編的に入ってるラップやミュートトランペット、後半で絡んでくるストリングスのフレーズも相まってものすごくJazzyでGroovyで。もう聞きながら体が揺れてくる気持ち良さ。
関係ないけど、この曲のコード展開と、最近Sketch Showとやった『Beautiful to me』と言う曲のコード展開は兄弟だと思う。

他にもかなり意図的に「踊れる」曲に仕立てた表題曲『Heartbeat』やワルツの『LuLu』、後に映画「HIGH HEELS」のテーマとなる『Song Lines』、ミニマル的なトラックにアフリカの民族的な歌をのせた『Bolom Gal』、アンビエントにきれいな『Epilogue』など、ここちよい曲が並んでます。ヘタウマギリギリの線とも言われるご本人歌唱の『High Tide』『Sayonara』もアクセント。前の会社で一緒だった子は「もう、教授のあのつたないヘタウマな歌がたまらなく好き!」と言ってたな。わかる気もする。

このアルバムの後で、「POPSとはどう言うものなのか、を考えて作った」という「sweet revenge」「SMOOCHY」と言うアルバムを出したわけだけど、その2枚よりも、この「heartbeat」の方がよほどPOPSだと、ぼくは思いますね。

ちなみに、ぼくが意識的に坂本龍一を聞いたのは小学校6年生の時。 『Steppin' into Asia』というシングルを借りて聞いたのが多分最初ですね。 この人の、いわゆるレア音源というやつは、全部そろえようとするとおそらく天文学的な費用がかかると思うんだけど、そこまで行かない範囲では結構そろえてると思うんだよね。 「Life in Japan」は基本として、「The Fantasy of Light & Life」「GRAN TURISMO」「BEAUTY REMIX」とか。「YOU DO ME」の海外版シングルとかね。とりあえず「Compute,Compute,Compute」「TOKIO KUMAGAI」「Heart of Asia」辺りを持ってる人がいたら、ぜひ一度聞かせていただきたい。
(この辺、わからない人には全くわからないと思いますが、そう言う方はすっ飛ばして下さい)
http://www.sitesakamoto.com/


前の10件 | 次の10件 勝手にディスクレビュー ブログトップ

まさぼうライブスケジュール
3/25(土)
上田司バースデーライブ@ケネディハウス銀座
4/2(日)昼
Sunny Funny@四谷 SOUND CREEK Doppo
4/9(日)
びゅーちふるず@高円寺 Show Boat
4/15(土)昼
びゅーちふるず@武蔵浦和 しらはた作業所前遊歩道
4/16(日)昼
まさぼうのたくらみvol.16@四谷 SOUND CREEK Doppo

メッセージを送る